『ステップアップノート３０　古典文法トレーニング』「『なむ』の識別」の長文品詞分解

ここでは、利用者も多かろう『ステップアップノート３０　古典文法トレーニング』（河合出版）に採録されている長文課題の、品詞分解解答例を掲載する。
なお、以下の二点にご留意いただくものとする。

• 品詞分解例は本サイト主が作成したものであること
• 品詞分解は具合によって（たとえば連語や複合動詞をどう分解するか）解答が異なること

「『なむ』の識別」（伊勢物語）の品詞分解例

大問二九（出典：『伊勢物語』）
◎品詞分解（名詞は基本的に非表示。非活用語は基本的に初出のみ。）

　昔、左の(格助（体修）)大臣(おほいまうちぎみ)いまそがり(尊（作→大臣）)けり(過去・終)。賀茂川のほとりに(格助)、六条わたりに、家を(格助)いと(副)おもしろく(ク・用)造り(ラ四・用)て(接助)住み(マ四・用)給ひ(尊（作→大臣）)けり(過去・終)。十月の晦日がた、菊の花移ろひ(ハ四・用)盛りなる(ナリ・体)に、紅葉の(格助（主格）)千種に見ゆる(ヤ下二・体)折、親王たちおはしまさ(尊（作→親王）)せ(使役・用)て、夜ひと夜、酒飲みし(サ変・用)遊び(バ四・用)て、夜明けもてゆく(カ四・体)ほどに、この殿のおもしろき(ク・体)を(格助)褒むる(マ下二・体)歌詠む(マ四・終)。そこに(格助)あり(ラ変・用)ける(過去・体)乞食翁(かたゐおきな)、板敷の下に這ひ(ハ四・用)ありき(カ四・用)て、人にみな詠ま(マ四・未)せ(使役・用)果て(タ下二・用)て詠め(マ四・已)る(完了・体)。

　塩竈にいつか(副)来(カ変・用)に(完了・用)けむ(過去原因・体)朝なぎに釣する(サ変・体)船は(係助)ここに寄ら(ラ四・未)なむ(終助)　

と(格助)なむ(係助)詠み(マ四・用)ける(過去・体)は(係助)、陸奥の国に行き(カ四・用)たり(完了・用)ける(過去・体)に、あやしく(シク・用)おもしろき(ク・体)所々多かり(ク・用)けり(過去・終)。我が(格助（体修）)みかど六十余国のなかに、塩竈と(格助)いふ(ハ四・体)所に似(ナ上一・用)たる(存続・体)所なかり(ク・用)けり(過去・終)。され(ラ変・已)ば(接助（順確）)なむ(係助)、かの翁、さらに(副)ここを(格助)めで(ダ下二・用)て、「塩竈にいつか(副)来(カ変・用)に(完了・用)けむ(過去原因・体)」と(格助)詠め(マ四・已)り(完了・用)ける(過去・体)。

縦書き用データ

上記をより見やすく編集したデータを掲載する。適宜ダウンロードして学習に活用してほしい。

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