ここでは、利用者も多かろう『ステップアップノート30 古典文法トレーニング』(河合出版)に採録されている長文課題の、品詞分解解答例を掲載する。
なお、以下の二点にご留意いただくものとする。
- 品詞分解例は本サイト主が作成したものであること
- 品詞分解は具合によって(たとえば連語や複合動詞をどう分解するか)解答が異なること
「助動詞(四)『たり』『り』」(平家物語)の品詞分解例
大問十(出典:『平家物語』)
◎品詞分解(名詞は基本的に非表示。非活用語は基本的に初出のみ。)
明くる二十八日より、「重病を受けたまへり」とて、京中・六波羅、「すは、しつることを」とぞささやきける。入道相国、病つきたまひし日よりして、水をだに喉へも入れたまはず。身の内の熱きこと火をたくがごとし。臥したまへる所四五間が内へ入る者は、熱さ堪へがたし。ただのたまふこととては、「あたあた」とばかりなり(※1)。少しもただごととは見えざりけり。比叡山より千手井の水を汲み下し、石の船に湛へて、それに降りて冷えたまへば、水おびただしく沸き上がつて、ほどなく湯にぞなりにける。「もしや助かりたまふ」と、筧の水を引せたれば、石や鉄などの焼けたるやうに、水ほとばしつて寄りつかず。おのづから当たる水は、ほむらとなつて燃えければ、黒煙殿中に満ち満ちて、炎渦巻いて上がりけり。
※1:断定「なり」は体言ないし連体形と接続する助動詞だが、これは副助詞「ばかり」を含む、一部の助詞や副詞ともつながる。体言的に用いているか否かが基準となる。
縦書き用データ
上記をより見やすく編集したデータを掲載する。適宜ダウンロードして学習に活用してほしい。
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