『ステップアップノート30 古典文法トレーニング』「助動詞(九)『べし』『まじ』」の長文品詞分解

ここでは、利用者も多かろう『ステップアップノート30 古典文法トレーニング』(河合出版)に採録されている長文課題の、品詞分解解答例を掲載する。
なお、以下の二点にご留意いただくものとする。

  • 品詞分解例は本サイト主が作成したものであること
  • 品詞分解は具合によって(たとえば連語や複合動詞をどう分解するか)解答が異なること

「助動詞(九)『べし』『まじ』」(平治物語)の品詞分解例

大問十五(出典:『平治物語』)
◎品詞分解(名詞は基本的に非表示。非活用語は基本的に初出のみ。)

さる(ラ変・体)(格助)兵衛佐頼朝、伊豆(格助(体修))国蛭小島(格助)流さ(サ四・未)(受身・終)べし(当然・終)(格助)定め(マ下二・未)らる(受身・終)。池殿、頼朝(格助)近く(ク・用)呼び(バ四・用)寄せ(サ下二・用)(接助)、姿をつくづくと()(マ上一・用)たまひ(尊(作→池))て、「げに()家盛(格助(体修))姿に少し()(係助)違は(ハ四・未)(打消・終)あはれ(感動)都の辺に置き(カ四・用)て、家盛(格助(体修))形見に常に()呼び(バ四・用)寄せ(サ下二・用)(マ上一・未)たく(願望・用)こそ(係助)候へ(丁(池→頼))遥々と()伊豆の国まで(副助)下さ(サ四・未)(婉曲・体)ことこそ(係助)うたてけれ(ク・已)。わ殿をば(連語)家盛と思ひ(ハ四・用)、春秋の衣裳(係助)一年に二度下す(サ四・終)べし(意志・終)。尼をば(連語)母と思ひ(ハ四・用)空しく(シク・用)なり(ラ四・用)たら(完了・未)(接助(順仮))後世を(係助)弔ふ(ハ四・終)べし(命令・終)「流され人(格助(主格))思ふ(ハ四・体)やうに振る舞ふ(ハ四・終)(※1)とて(格助)、国人に訴へ(ハ下二・未)られ(受身・用)、二度憂き(ク・体)目を見る(マ上一・終)べから(命令・未)(打消・終)」と宣へ(尊(作→池))(接助(順確))、兵衛佐殿畏まつ(ラ四・用(促音))て、「いかで()さやうの振る舞ひ仕り(謙(頼→国人))候ふ(丁(頼→池))べき(推量・体)。髪を(係助)切り(ラ四・用)、父の後生を(係助)弔は(ハ四・未)ばや(終助)こそ(係助)存じ(謙(頼→父))候へ(丁(頼→池))」と申さ(謙(作→池))(尊(作→頼))けれ(過去・已)ば、「よく(ク・用)申す(謙(池→父))ものかな(終助)とて(格助)、池殿涙を流し(サ四・用)たまひ(尊(作→池))、「疾く疾く()」と宣へ(尊(作→池))ば、御前を出で(ダ下二・未)られ(尊(作→頼))ける(過去・体)

※1:テキストでは割愛されているが、この箇所の直前では次のような事情が語られている。

「また伊豆国は鹿多き所にて、常に国人寄り合ひて狩する所にてあんなるぞ。人と寄り合ひ狩などして、」

(また伊豆国は鹿の多い所で、いつも土地の人間が寄り集まって狩りをする土地柄と聞いている。人と寄り集まって狩猟に興じて、)

縦書き用データ

上記をより見やすく編集したデータを掲載する。適宜ダウンロードして学習に活用してほしい。

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