ここでは、利用者も多かろう『ステップアップノート30 古典文法トレーニング』(河合出版)に採録されている長文課題の、品詞分解解答例を掲載する。
なお、以下の二点にご留意いただくものとする。
- 品詞分解例は本サイト主が作成したものであること
- 品詞分解は具合によって(たとえば連語や複合動詞をどう分解するか)解答が異なること
「助動詞(一)『き』『けり』」(土佐日記)の品詞分解例
大問七(出典:『土佐日記』)
◎品詞分解(活用語中心。名詞は基本的に非表示。非活用語は基本的に初出のみ。)
やまとうた、主の守の詠めりける、
都出でて君に会はむと来しものを来しかひもなく別れぬるかな
となむありければ、帰る前の守の詠めりける、
白妙の浪路を遠く行き交ひて我に似べきは誰ならなくに
異人々のもありけれど、賢しきもなかるべし。とかく言ひて、前の守も今のももろともに下りて、今の主も前のも手取り交はして、酔ひ言に心よげなる言して出でにけり。
二十七日、大津より浦戸を指して漕ぎ出づ。かくあるうちに、京にて生まれたりし女子、国にて俄に失せにしかば、このごろの出で立ちいそぎを見れど、何ごともえ言はず。京へ帰るに女子のなきのみぞ悲しび恋ふる。ある人々もえ堪へず。この間にある人の書きて出だせる歌、
都へと思ふをものの悲しきはかへらぬ人のあればなりけり
縦書き用データ
上記をより見やすく編集したデータを掲載する。適宜ダウンロードして学習に活用してほしい。
「助動詞(一)『き』『けり』」(十訓抄)の品詞分解例
2024年11月20日以降に購入した場合、改訂により上記『土佐日記』とは異なる文章が採録されている。その品詞分解例を以下に記す。
大問七(出典:『十訓抄』)
◎品詞分解(名詞は基本的に非表示。非活用語は基本的に初出のみ。同色の助詞は同内容を示す。)
一条天皇の御時、四納言と聞こえし人々、寄り合ひて、蹴鞠会ありけるに、懸りの外に鞠の落ちてありけるを、その中に公任卿、「この鞠を、大臣、大将の子ならざらむ人、とるべし」と、言はれたりければ、行成卿申されける、「短命こそ口惜しけれ。少将、生きたらましかば、三公の位をば嫌はれざらまし」と宣ひたりけり。これも公任卿の非愛なるにてぞありける。
かの行成卿は、摂政伊尹公の御子、少将義孝の御子なり。短命にしてとく失せ給ひければ、大臣、大将にのぼらず。それを思はへて、公任卿申さるるか。
縦書き用データ
上記をより見やすく編集したデータを掲載する。適宜ダウンロードして学習に活用してほしい。
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