『ステップアップノート30 古典文法トレーニング』「助詞(二)接続助詞」の長文品詞分解

ここでは、利用者も多かろう『ステップアップノート30 古典文法トレーニング』(河合出版)に採録されている長文課題の、品詞分解解答例を掲載する。
なお、以下の二点にご留意いただくものとする。

  • 品詞分解例は本サイト主が作成したものであること
  • 品詞分解は具合によって(たとえば連語や複合動詞をどう分解するか)解答が異なること

「助詞(二)接続助詞」(大和物語)の品詞分解例

大問二〇(出典:『大和物語』)
◎品詞分解(名詞は基本的に非表示。非活用語は基本的に初出のみ。)

 故御息所(格助(体修))御姉、大子(格助)あたり(ラ四・用)給ひ(尊(作→姉))ける(過去・体)なむ(係助)いと()らうらうじく(シク・用)、歌詠み(マ四・用)給ふ(尊(作→姉))こと(係助)、おとうとたち御息所より(格助)優り(ラ四・用)(接助)なむいますかり(尊(作→姉))ける(過去・体)若き(ク・体)時に、女親(係助)失せ(サ下二・用)給ひ(尊(作→女親))(完了・用)けり(過去・終)。継母の手にかかり(ラ四・用)いますかり(尊(作→姉))けれ(過去・已)(接助(順確))、心に物(格助(主格))叶は(ハ四・未)(打消・体)時もあり(ラ変・用)けり(過去・終)。さて詠み(マ四・用)給ひ(尊(作→姉))ける(過去・体)
 あり(ラ変・用)果て(タ下二・未)(打消・体)待つ(タ四・体)間のほどばかり(副助)憂き(ク・体)こと繁く(ク・用)嘆か(カ四・未)(打消・用)もがな(終助)(※1)
(格助)なむ詠み(マ四・用)給ひ(尊(作→姉))ける(過去・体)。梅の花(格助)折り(ラ四・用)また(接続)
 かかる(ラ変・体)(格助(主格))秋も変はら(ラ四・未)(打消・用)匂ひ(ハ四・用)(過去・未)(接助(順仮))恋し(シク・終)てふ(連語)(※2)眺め(サ変・未)まし(反実仮想・終)終助)
(格助)詠み(マ四・用)給ひ(尊(作→姉))ける(過去・体)いと()由づき(カ四・用)をかしく(シク・用)いますかり(尊(作→姉))けれ(過去・已)ば、呼ばふ(ハ四・体)人もいと()多かり(ク・用)けれ(過去・已)(接助)、返り事も(サ変・未)ざり(打消・用)けり(過去・終)

※1:願望の終助詞「もがな」は、体言のほか、「形容詞」「打消『ず』」「断定『なり』」の連用形、助詞「に」「と」などと接続する。

※2:「てふ」は「と言ふ(格助詞+ハ四)」の変とされる。よって接続は終止形ないし命令形であり、それを鑑みると「恋し」はサ変「恋す」の連用形ではなく、形容詞「恋し」の終止形と判断するのが妥当である。

縦書き用データ

上記をより見やすく編集したデータを掲載する。適宜ダウンロードして学習に活用してほしい。

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