ここでは、利用者も多かろう『ステップアップノート30 古典文法トレーニング』(河合出版)に採録されている長文課題の、品詞分解解答例を掲載する。
なお、以下の二点にご留意いただくものとする。
- 品詞分解例は本サイト主が作成したものであること
- 品詞分解は具合によって(たとえば連語や複合動詞をどう分解するか)解答が異なること
「助詞(三)副助詞」(方丈記)の品詞分解例
大問二一(出典:『方丈記』)
◎品詞分解(名詞は基本的に非表示。非活用語は基本的に初出のみ。)
築地のつら、道のほとりに飢ゑ死ぬるもののたぐひ、数も知らず。取り捨つるわざも知らねば、臭き香、世界に満ち満ちて、変はりゆくかたちありさま、目も当てられぬこと多かり(※1)。いはんや、河原などには、馬・車の行き交ふ道だになし。
あやしき賤山賤も力尽きて、薪さへ乏しくなりゆけば、頼むかたなき人は、自らが家を毀ちて、市に出でて売る。一人が持ちて出でたる価、一日が命にだに及ばずとぞ。あやしき事は、薪の中に、赤き丹つき、箔など所々に見ゆる木、あひまじはりけるを尋ぬれば、すべきかたなきもの、古寺に至りて仏を盗み、堂の物具を破り取りて、割り砕けるなりけり。濁悪世にしも生れ合ひて、かかる心憂きわざをなむ見侍りし。
※1:一般に形容詞の「~かり」は補助活用の連用形だが、「多し」は「多かり」が終止形としても用いられる。形容詞の特殊例は他に「同じ」が挙げられる(「同じき」「同じかる」「同じ」の三つの連体形を持つ)。
縦書き用データ
上記をより見やすく編集したデータを掲載する。適宜ダウンロードして学習に活用してほしい。
商品リンク
ポチップ
ポチップ
新規投稿の際に発信している。本サイト下部にリンクがあるので、参照されたい。
コメント