ここでは、利用者も多かろう『ステップアップノート30 古典文法トレーニング』(河合出版)に採録されている長文課題の、品詞分解解答例を掲載する。
なお、以下の二点にご留意いただくものとする。
- 品詞分解例は本サイト主が作成したものであること
- 品詞分解は具合によって(たとえば連語や複合動詞をどう分解するか)解答が異なること
「助詞(四)係助詞」(伊勢物語)の品詞分解例
大問二二(出典:『伊勢物語』)
◎品詞分解(名詞は基本的に非表示。非活用語は基本的に初出のみ。)
昔、若き男、けしうはあらぬ女を思ひけり。さかしらする親ありて、「思ひもぞ付く」とて、この女をほかへ追ひやらむとす。さこそいへ、まだ追ひやらず。人の子なれば、まだ心に勢ひなかりければ、留むる勢ひなし。女も卑しければ、争ふ力なし。さる間に、思ひはいやまさりにまさる(※1)。にはかに、親、この女を追ひうつ。男、血の涙を流せども、留むるよしなし。率て出でて往ぬ。男、泣く泣く詠める。
出でて往なば誰か別れの難からむありしにまさる今日は悲しも
と詠みて、絶え入りにけり。親慌てにけり。「なほ思ひてこそ言ひしか、いとかくしもあらじ」と思ふに、真実に絶え入りにければ、惑ひて願立てけり。今日の入相ばかりに絶え入りて、またの日の戌の時ばかりになむからうじて生き出でたりける。昔の若人は、さる好ける物思ひをなむしける。今の翁、まさにしなむや。
※1:一般に格助詞「に」の接続は体言ないし連体形とされるが、「泣きに泣く」など同じ動作を重ねて強調する場合は、連用形接続となる。
縦書き用データ
上記をより見やすく編集したデータを掲載する。適宜ダウンロードして学習に活用してほしい。
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