ここでは、利用者も多かろう『ステップアップノート30 古典文法トレーニング』(河合出版)に採録されている長文課題の、品詞分解解答例を掲載する。
なお、以下の二点にご留意いただくものとする。
- 品詞分解例は本サイト主が作成したものであること
- 品詞分解は具合によって(たとえば連語や複合動詞をどう分解するか)解答が異なること
「ぬ(ね)の識別」(無名草子)の品詞分解例
大問二六(出典:『無名草子』)
◎品詞分解(名詞は基本的に非表示。非活用語は基本的に初出のみ。)
「その『枕草子』こそ、心のほど見えて、いとをかしう侍れ(※1)。さばかりをかしくも、あはれにも、いみじくも、めでたくもあることども、残らず書き記したる中に、宮のめでたく盛りに時めかせ給ひしことばかりを、身の毛も立つばかり書き出でて、関白殿失せ給ひ、内大臣流され給ひなどせしほどの衰へをば、かけても言ひ出でぬほどのいみじき心ばせなりけむ人(※2)の、はかばかしきよすがなどもなかりけるにや、(※3・4)乳母の子なりける者に具して、遥かなる田舎に罷りて住みけるに、襖などいふもの干しに外に出づとて、『昔の直衣姿こそ、忘られね』と独りごちけるを見侍りければ、あやしの衣着て、つづりといふもの帽子にして侍りけるこそ、いとあはれなれ。まことに、いかに昔恋しかりけむ」など言ふ。
※1:この文章は、老尼が京都東山の檜皮屋で女房たちの論評を聞き、それを記述したという構成である。
※2:この文章の前段で女房は清少納言を批判的に捉えているため、ここは皮肉として肯定的に評している。
※3:「疑問語~推量系+、」は挿入句である。ここは筆者の感想や主張であって、実方の思いではない。
※4:「にや」「にか」は「あらむ」を補う。「に」は断定、「む」は推量である。
縦書き用データ
上記をより見やすく編集したデータを掲載する。適宜ダウンロードして学習に活用してほしい。
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