『ステップアップノート30 古典文法トレーニング』「古典文法 事始メ」の長文品詞分解

ここでは、利用者も多かろう『ステップアップノート30 古典文法トレーニング』(河合出版)に採録されている長文課題の、品詞分解解答例を掲載する。
なお、以下の二点にご留意いただくものとする。

  1. 品詞分解例は本サイト主が作成したものであること
  2. 品詞分解は具合によって(たとえば連語や複合動詞をどう分解するか)解答が異なること

「古典文法事始メ」(『閑居友』)の品詞分解例

大問一(出典:『閑居友』)

◎品詞分解
(非活用語は初出のみで、名詞は基本的に非表示。)

 昔、賢き(ク・体)あり(ラ変・用)(過去・終)。  未だ()(格助)あり(ラ変・用)ける(過去・体)とき、いみじく(シク・用)小鳥(格助)愛し(サ変・用)(接助)飼ひ(ハ四・用)ける(過去・体)(格助)、一籠に(やま)(がら)二つ入れ(ラ下二・用)たり(存続・用)ける(過去・体)(接助(偶然))、一つ(格助(体修))山雀(係助)、もの(係助)食は(ハ四・未)(接助)常に()(係助)籠の(はら)つき(カ四・用)て、籠の目より(格助)出で(ダ下二・未)(意志・終)(格助)のみ(副助)(サ変・用)て、痩せ(サ下二・用)細り(ラ四・用)て水だに(副助(類推))多く(ク・用)(係助)飲ま(マ四・未)で、出でむとする(サ変・体)営みのほか、さらに(副(呼))こと(形動(語幹))わざなし(ク・終)いま()一つの山雀、ものいみじく食ひて、勇み(マ四・用)誇れ(ラ四・已)(存続・終)。身も肥え(ヤ下二・用)太りてぞありける(過去・体(係結))さる(ラ変・体)ほどに、この痩せたる(存続・体)山雀、いたく(ク・用)身も細りて、いかが()(サ変・用)たり(完了・用)けむ(過原・体)、籠の目より抜け(カ下二・用)出で(ダ下二・用)て、飛び(バ四・用)去り(ラ四・用)(完了・終)。これを(マ上一・用)て、その主の男、され(ラ変・已)(接助(順確))憂き(ク・体)世を出で(意志・終)営ま(マ四・未)(婉曲・体)人も、さる(ラ変・体)べき(当然・体)(断定・用)こそ(係助)侍る(丁(作→読))(※1)めれ(推定・已)。常にうち(接頭)しめり(ラ四・用)て、高き(ク・用)笑ひも(サ変・未)(打消・用)、心思ひにものなど(副助)食は(ハ四・未)こそ(係助)ある(ラ変・体)べか(適・体(撥))めれ(推定・已)悟り(ラ四・用)て、やがて()下ろし(サ四・用)て、いみじく(シク・用)行ひ(ハ四・用)侍り(丁(作→読))

※1:本来ならば「主」からの敬意であるが、その場合、敬意の対象を想定できない。この本文の前後を読むに、「尊き聖」の言を別の「聖」が引いて語っている箇所とわかるので、これは語り手の聖が聞き手に対して敬意を表明するために付け加えたと考える。

縦書きデータ

上記をより見やすく編集したデータを掲載する。適宜ダウンロードして学習に活用してほしい。

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