『ステップアップノート30 古典文法トレーニング』「助動詞(三)『ず』」の長文品詞分解

ここでは、利用者も多かろう『ステップアップノート30 古典文法トレーニング』(河合出版)に採録されている長文課題の、品詞分解解答例を掲載する。
なお、以下の二点にご留意いただくものとする。

  • 品詞分解例は本サイト主が作成したものであること
  • 品詞分解は具合によって(たとえば連語や複合動詞をどう分解するか)解答が異なること

「助動詞(三)『ず』」(宇治拾遺物語)の品詞分解例

大問九(出典:『宇治拾遺物語』)
◎品詞分解(名詞は基本的に非表示。非活用語は基本的に初出のみ。)

これ(係助)今は昔(慣用句)、筑紫(格助)たうさかの(さへ)(格助)申す(丁(作→読))(さへ)(格助(体修))まします(尊(作→斎))。その(ほこら)(格助)、修行(サ変・用)ける(過去・体)(格助(主格))宿り(ラ四・用)(接助)(ナ下二・用)たり(存続・用)ける(過去・体)夜、夜中ばかり(副助)(係助)なり(ラ四・用)(強意・終)らむ(現在推量・終)思ふ(ハ四・体)程に、馬の足音あまた()(サ変・用)て、人の過ぐる(ガ上二・体)聞く(カ四・体)程に、「斎はまします(尊(人→斎))(終助)」と問ふ(ハ四・体)(サ変・終)。この宿り(ラ四・用)たる(存続・体)僧、あやし(シク・終)聞く(カ四・体)程に、この祠の内より(格助)侍り(丁(斎→人))」と答ふ(ハ下二・終)なり(推定・終)(※1)また()あさまし(シク・終)聞け(カ四・已)(接助(偶然))、「明日武蔵寺に(係助)参り(謙(人→武蔵寺))給ふ(尊(人→斎))」と問ふ(ハ四・終)なれ(推定・已)ば、「()(係助)侍ら(丁(斎→人))(打消・終)。何事(格助(主格))侍る(丁(斎→人))(終助)」と答ふ(ハ下二・終)。「明日武蔵寺に新仏(にひぼとけ)出で(ダ下二・用)給ふ(尊(人→新仏))べし(推量・終)とて(格助)梵天(梵天)帝釈(たいしゃく)、諸天、竜神集り(ラ四・用)給ふ(尊(人→梵天など))とは知り(ラ四・用)給は(尊(人→斎))(打消・体)(終助)」といふ(ハ四・終)なれ(推定・已)ば、「さる(ラ変・体)(係助)()承ら(謙(斎→武蔵寺))ざり(打消・用)けり(過去・終)うれしく(シク・用)告げ(ガ下二・用)給へ(尊(斎→人))(完了・体)かな(終助)いかでか()参ら(謙(斎→武蔵寺))(接助)侍ら(丁(斎→人))(意志・体)必ず()参ら(謙(斎→武蔵寺))むずる(意志・体)」といへ(ハ四・已)ば、「さら(ラ変・未)(接助(順仮))、明日の()の時ばかり(副助)の事なり(断定・終)必ず()参り(謙(人→武蔵寺))給へ(尊(人→斎))待ち(タ四・用)申さ(謙(人→斎))(意志・終)とて(格助)過ぎ(ガ上二・用)(完了・終)

※1:「なり」を含む一文中に音声語はないが、文脈上「答ふなり」=「答ふる声すなり」と読める
   ので、「推定」と解釈した。

縦書き用データ

上記をより見やすく編集したデータを掲載する。適宜ダウンロードして学習に活用してほしい。

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